大阪は東京からひょっこりやって来た僕を受け入れ、気持ちのよい温度で生活をさせてくれました。生活の拠点は大阪ミナミ。行きつけの店、正宗屋に週に一回は集まっては、たわいもない出来事や近況を交わすのが習慣になっていました。英語を話せるようになるには、アメリカ人の友達を作ればいいと言われていますが、それは大阪弁も同じで、僕の先生は写真のこんな男でした。真面目なんだか不真面目なんだか分からない、植木等の様な無責任男ですが、営業先のたくさんのお客さんに愛される不思議な男でした。
日本を離れた今でも正宗屋集合のメールは届き、もちろん参加できない僕へ、正宗屋で盛り上がっているハワイの真夜中に電話をかけてくる迷惑な奴です。とりあえずどんな人でも受け入れてしまう度量の大きさと、自然な流れで踏み込んでくる気易さ、去る者を追わない振る舞い。日本中で失われつつある「ご近所文化」を大阪という町で学んだ様に思っています。